レッドオーシャンで選ばれるデザインの秘訣
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レッドオーシャンで選ばれるデザインの秘訣

地方の魅力に注目が集まるトレンドに乗って、各地のお土産物は百花繚乱。追い風である一方で、似通った商品になりがちです。鳴門金時を使用した芋きんつばの製造販売を行う有限会社あずまや様も、差別化に悩む企業のひとつでした。

あずまや様のある徳島県鳴門市は、世界三大潮流のうず潮で知られる観光地。その迫力を体感しようと、国内外からの観光客で賑わう人気スポットです。また鳴門金時の産地としても有名で、お土産物の定番はさつまいものスイーツです。鳴門金時使用や保存料無添加という特長だけでは、手に取ってもらえないことが課題でした。

そこで、芋きんつば鳴門を代表するお土産物に!と目標を掲げ、リニューアルを企画。パッケージデザインをはじめ、お客様との接点を再構築していきました。

渦潮の町で暮らす柴犬「なるとくん」誕生!

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徳島のお土産物売場は、さつまいものスイーツが所狭しと並ぶレッドオーシャン。その多くが「鳴門金時」をモチーフにした黄色や紫のパッケージをまとっています。どんなに商品特性が強くても、似通ったパッケージでは埋もれてしまうばかり。

そこで思い切って、商品ではなくキャラクターがメインのパッケージに変更することにしました。商品名も「芋きん」から「なるとのしっぽ」にリニューアル。

キャラクターは、尻尾をくるんと巻いた柴犬「なるとくん」です。巻き尾を渦潮に見立て、鳴門の海を見つめる犬の後ろ姿は売場の中でもひときわ目を引く存在に。黄色と紫のパッケージが溢れる中、視認性の高い仕上がりになりました。

キャラクターは、お客様との接点から生まれる

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お客様がお土産物を選ぶのは、空港やサービスエリア。

観光の最後に立ち寄る場所で、徳島での体験を商品に結び付けることはできないか。徳島に来たなら、きっと、渦潮を見ているはず――。

これが、なるとくん誕生のきっかけです。競合も力を入れている素材・製法の訴求に捉われず、消費者の観光体験に着目して独自の訴求ポイントを設定しました。

キャラクターはインパクトがあり、効果が見込まれる一方で、間違ったイメージを持たれる危険性も少なくありません。「目立つ」や「かわいい」だけでは、ターゲット外のお客様から注目を集めてしまうことも。

「なるとのしっぽ」では、素材を活かした懐かしく素朴な味わいを、おばあさんと柴犬なるとくんが醸し出す世界観にリンクさせて表現しています。時に、商品以上に目を惹くキャラクターこそ、商品のらしさを体現する世界観づくりが大切なのです。

デザインの力で、より深く繋がる

化粧箱の内側には、鳴門海峡の渦潮や芋ツルのイラストを添えて、美味しい食べ方の紹介。パッケージはお客様との大切なコミュニケーションツール。一貫した世界観を構築できるよう、なるとくんのテイストに添って、素朴でほのぼのとしたイラストやフォントを選定しました。

キャラクターのストーリーまで丁寧に作り込むことにより、キャラクターに生き生きとした命が吹き込まれ、より一層、愛着を感じてもらえる存在に。世界観を通して、商品の特長や企業の思いを伝えられるようになります。

また、商品をより広く深く知ってもらうため、ランディングページを新設。パッケージでは伝えきれない情報をストーリー仕立てで紹介。観光地での偶然の出会いからブランド認知へ。さらに深くつながるコミュニケーションツールの役割を果たしています。また、百貨店での催事など、販路開拓にも有効で、卸先への商品訴求・信用度アップに貢献しています。

まとめ

競合がひしめくレッドオーシャンでは、商品の特性を訴えても埋もれてしまいます。商品を売ろうとするよりも、独自の世界観を構築することが差別化への近道。キャラクターを通してストーリーや世界観を創りあげ、そこに商品の魅力をのせて伝えていく――。お客様の心を掴み、愛着を醸成することが、キャラクターを用いた差別化のポイントです。

私たちは「中小企業の企画部を代行する」をミッションに掲げ、お客様のビジネス全体をデザインするデザイン会社です。ビジネスの舵取りをする人が抱える課題解決のヒントを提供する場として、noteを公開しています。