卸依存から脱却を目指す「価値」で選ばれるD2Cビジネスの作り方
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卸依存から脱却を目指す「価値」で選ばれるD2Cビジネスの作り方

独自の販路拡大を目指して、製造メーカーや生産者が商品を消費者に直接販売する、D2Cが広まっています。消費者との接点構築を機に、新しいノウハウが得られ既存事業のヒントになる。そんなメリットもある一方で、採算ベースにのせるには、特有のノウハウが求められます。

・初めての挑戦で、何からはじめればいいのかわからない。
・スタートしたものの、売上が伸び悩んでいる。

このようなご相談が多数寄せられます。今回は、そのような事業者様へ何かヒントになればいいな、と思い、プロデュースの一例を紹介します。


ご紹介するのは、自然豊かな京都府京丹波町で養鶏業をされているみずほファーム様。鶏舎や飼料にこだわった高品質な鶏卵を生産されています。しかし鶏卵は市場で一律に卸値が決定され、毎年大幅に変動するそう。

手間暇かけた自慢の商品を、価値に見合う価格で販売したい。直販に注力し独自の販路を開拓し、鶏卵と加工品で売上の2本柱を構築。外部環境に左右されない強い経営基盤づくりを目指しておられました。

独自の価値を訴求する、ブランドの立上げ

直販強化に向けた第一歩は、競合との違いを明確にすること。消費者にもわかりやすく、市場に浸透しやすい差別化戦略としてみずほファームブランドの立上げをご提案。

競合や顧客を分析し、独自の強みを再構築。競合よりも生産量は劣るものの、直売所を運営し消費者との距離が近い点に着目。ファミリー層をターゲットにした地域密着型のビジネス展開をブランド戦略の軸に定めました。

みずほファーム様のある京都府京丹波町は京阪神のベットタウンから車で1時間ほど。直売所には、栄養満点で濃厚な味わいの朝採れ卵を求める根強いファンがいらっしゃいます。食品に欠かせない「安心・安全、美味しい」に「新鮮」という特長を加え、みずほファーム独自の価値を設定しました。

ブランドを定着させるには、社内で理解を深め共通認識を持つことも重要。「子育て家庭を温かく見守る、地域の世話好き女性」をブランドパーソナリティ(目指す人物像)に定め、社員全員でイメージを共有できるようにしました。

「らしさ」を体現するブランドデザイン

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鶏卵を起点に加工食品の製造販売事業を計画されていたみずほファーム様。長期的な事業展開を見据え、鶏卵に限定されない食品ブランドとしての市場浸透を狙います。そのため「京丹波みずほファーム」をブランド名に、主力商品の鶏卵には商品ロゴを用意。「新鮮で美味しい卵といえば、みずほファーム」と認知をつくり、加工食品へ展開していくプランを提案しました。

ブランドを象徴するロゴは、確かな品質とファミリー層への親しみやすさを想起させるようデザイン。力強い毛筆で確かな品質を、ぬくもりある手書きの書体で親しみやすさを表現しました。またブランドカラーを黒色にすることで力強さを訴求。スイーツ店や農園と一線を画す、印象的なデザインに仕上げました。

市場に浸透させるには、消費者に一貫したブランド認知をつくることが不可欠。商品パッケージのみならず、直売所の看板や配達トラックにもブランドロゴを配し、認知拡大を図りました。

鶏卵から加工品へ、戦略に沿った商品企画

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加工食品のターゲットも、鶏卵と同じファミリー層に設定。みずほファームとして、一貫性のあるブランド展開を目指します。

そのため家庭料理と好相性の商品を「卵を美味しく食べる、卵屋さんの○○○」をコンセプトにや商品企画をすすめました。第一号商品は、卵かけごはん専用醤油。こだわり卵の味を体感いただけ、鶏卵とセットで購入される商品設計です。

もうひとつファミリー層に向けた商品展開で大切にしたのは「食育」のきっかけをつくること。「子育て世代を見守る世話好き女性」というブランドの延長に誕生した企画です。例えば、廃棄されるひね鶏を活用したおつまみを商品化。命の恵みやフードロス問題を子ども達に身近に感じてもらえるように、と想いが込められています。

また地域に根差したブランド確立に向けて、購買シーン以外の接点構築も強化。地元の高校とコラボした商品企画の体験授業を実施。地元産の新鮮卵だけでなく、地域を代表する企業としての認知も高まっています。

まとめ

直売所を起点にしたブランディングから2年。
京阪神の主婦層を中心に「ブランド卵=みずほファーム」の認知が拡大。加工品も徐々に浸透、食品ブランドとしてファンの輪が広がっています。

またブランディングの効果が卸の販路開拓を牽引。「ブランド名を冠にしたメニューをつくりたい」と声が掛かるまでに。京阪神の飲食店やスイーツ店から続々とみずほファーム様ブランドのメニューが発売されています。

いいものを作って、それに見合う価格で消費者に選んでいただく。プロジェクト開始時に掲げた理想に向かって、着実に前進されています。

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